今日は電車に乗って買い物に行った。
4月1日。春休みだから、同世代の若い子たちでどこもいっぱいだろうと覚悟したのに、あまり人はいなかった。
「3月は遊んでる学生でいっぱいだったのに、4月になった途端この通りかぁ~」なんて思った。
欲しいものは、ずっと気になってる、キュートなお店の黒いカバン。
やっぱり可愛い。だけど使うときがくるか分からないから買うのを躊躇っている。
持ち手が肩に掛けられるよう長目で、四角くA4が入る、しかっりした合皮の黒いカバン。だけど刺繍がはいってるの。黒い糸でたくさんのお花が描かれているの。
それがずっと気になっている黒いカバン。
大学でスーツに合わせて持つカバンとして、買っておいた方がいいのかなって。いつかは就活もやってくるんだし。
スーツに合わせて持つように作られたカバンは、どれもこれも可愛いと思えなくて、魅力がなくて、こんなものにお金をかけたくないって思っていた。
だけどその黒いカバンは違う。真っ黒なお花畑。「普段使いだけでなく、お仕事用にもどうぞ」とキュートなお店は言っていた。
だから欲しくなってしまったのだが、就活にお花畑はダメかな。ダメだったら、買っても無駄になってしまう。
結局、黒いカバンは買わなかった。
お昼が過ぎると、電車が混んできた。
スーツを着た同世代の子たちで混んできた。
みんな、今日は大学の入学式なんだと気付いた。制服をスーツに着替え。持っているカバンは、まだカラフルだったけど。
私の進学した大学も、今日が入学式だったなと、みんなを見て思い出した。私は入学式には行かなかった。
スーツのみんなの中に、中学の同級生もいた。声なんて掛けない。みんな、それぞれの道を進んでいるんだなと、心の中で思った。
大学生になってスーツを着て入学式に行ったあの子と、大学生になって入学式の日にワンピースでフラフラしてた私。
きれいなお花畑を好きと言ったら、仲間外れにされちゃうかな。