私の住んでいる家の近くには小さな川がある。川幅は5,6mだろうか。

子どものころからその川にかかる橋のたもとでよく遊んだ。ザリガニを取ったり、網を入れて魚を取ったりして楽しい思い出の場所だ。

大人になって、そういえば近所のおじさんが網を仕掛けてカニを取ってたなあと思い出し、ネットで検索してみると、たぶんそれは「モズクガニ」と呼ばれる、あの上海がニによく似たカニのようだ。それならたぶん食べてもうまかろうと、海釣りで使っていたカニかごにカツオのアラを入れて川にほうりこんで置いた。

次の日の朝早くかごを引き上げに行ってみると、いやあ獲れるわ獲れるわ、計13杯のモズクガニがかかっていた。もちろん先に調べておいて、漁業権の設定のない川なので安心だ。その後も何度かかごを仕掛けて30杯を越えたところで調理した。

それまでは大きなクーラーボックスに空気ポンプを入れて毎日水を替えていた。かぼちゃを餌にすると身が黄色になって美味しくなるそうなので、食べさせた。塩で茹でると真っ赤になった。

出汁もたっぷり出た。身を家族で楽しんだら残りは出汁と一緒にご飯を炊いた。これがまた美味かった。

 こんな話をほうぼうでしていたら、放射能は大丈夫なのかと何人かに言われた。県の調査ではモズクガニについては記載がなかったが、こんなちょっとした楽しみにも水を差される嫌な事故なんだなあと改めて思った。